英語力のレベルはCEFRで判断すべき(比較表付き)
「TOEICの点数が高いだけでは話せないってホント?」
「実際に高得点を取ったのに思い描いていた英語力と差があるかも」
「英語の試験がいっぱいありすぎて本当のレベルがわからない」
こんな英語学習におけるお悩みの原因を一挙に解決するCEFRについて紹介します。
これを書いている筆者は留学経験なしでTOEIC880点取得後、大学院留学、海外就労と一通りやったCEFR B2レベルです。
目次
1. CEFRについて理解する
1-1. CEFRは6つのレベルに分類された能力統一指標である
CEFRはCommon European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessmentの略で、欧州評議会によって定めらた外国語能力を6つに分類した指標のことを言い、能力が低い方から順にA1、A2、B1、B2、C1、C2となり、Aレベルを初級、Bレベルを中級、Cレベルを上級と呼びます。
これは英語に限らず母語でない言語を学ぶ際の指標となるので他の言語を勉強している方にも使える内容です。
詳しい内容はこちらの表を見てください。
各レベルでできる内容について詳しく定められていますので自分がこの中のどれに当てはまるか次に進む前に確認してみてください。
直近に英語試験を受けた方ではかなり正確な指標であることがわかるはずです。
1-2. 日本で受けやすい英語力テストとCEFRの比較表
英語試験はそれぞれに特徴があり単純に比較することが非常に難しいものです。それもCEFRの指標に当てはめてみれば簡単に見比べることができます。
メジャーな英語試験では点数とCEFRレベルの比較表があるため、日本で受験者が多いと思われるTOEIC、英検、IELTS、TOEFLについて一つの表にまとめてみました。
まずはTOEICについてです。TOEICの面白いところはリスニングとリーディングでそれぞれ分けて書かれていることです。
分かりやすいように合計点で見てみると、C1は954点以上を取った人という位置づけです。900点ではまだB2レベルという判断です。
英検については1級を合格するとC1となるとのことでした。TOEICと違い面接が入ってくるため難易度は高くなります。
アメリカ留学をする方ならまず受けるであろうTOEFL iBTの公式サイトには95点以上でC1とだけ記載がありましたが、IELTSの分布と比較すると105点を超えてくる方はC2と言って問題ないでしょう。
IELTSは数年前にイギリスがTOEFLを受け付けなくなったため、イギリス留学者はこちらを受けます。Overall 6.5であるものの7.0に近い点数を取れる人からC1となります。
IELTSのC1に対する基準が少し低いような気もしますが、経験上おおむねこの表で間違いないでしょう。
みなさんがお持ちの英語試験の結果と照らし合わせて自分のレベルを確認してみてください。
1-3. B2は中級者。C1でようやく上級者と言える。
CEFRの指標をみると「熟達した言語使用者=上級者」をC1からとしています。
その一つした、B2の説明を抜粋すると「母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。」とあるように、日本で英語がペラペラと言われるのはこの辺りのレベルからでしょう。
B2とC1の違いは「複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細な文章を作ることができる。」ということでB2よりも幅広い語彙力と文法力を求められることがわかります。
B2からC1に上がれない人は、自分の得意分野や日常会話など慣れている内容については特別不自由することが無い状態であるはずです。
得意分野以外の新しい語彙や表現に意識して出会い慣れていくことが重要であるとも言えますね。
文法についてもまだ不安定な要素が沢山あるでしょう。自信をもてるように再確認して、日常的に利用していくという方法が近道のように思います。
2. 英語試験の点数ではなくCEFRでの判断を強く勧める理由
2-1. 受ける試験の判断ができる
英語試験は例に挙げたもの以外にも多くの種類があります。先述したようにそれぞれに特徴があり、単純に比較することはできません。
CEFRは6段階しかありませんが、過去のデータなどを集めて作られた基準であるためかなり正確な指標でしょう。
留学、就職、レベルチェックなど…目的によって受ける試験が違うものの、自分の英語レベルをより正確に見るために試験を変えなければいけないということがわかります。
たとえば初級レベルの人であれば留学用のTOEFLやIELTSを受けるにはまだ早く英検2級くらいを確実にクリアするくらいの実力がなければいけません。
逆にTOEICで800点を超えてくるあたりではこれ以上のレベルを測るのは難しいため、英検1級やここには書いていないケンブリッジ英検の上級レベルを受けるべきです。
履歴書に書くためにある程度必要ではありますが、難しい単語や表現が圧倒的に少ないのでTOEICで必要以上の高得点を取るのは上級者レベルであるC1以上に分類されるには遠回りですよね。
2-2. 目標レベルに足りない部分と今やるべきことがわかる
CEFRのレベル説明には、そのレベルの人が「できること」が書かれています。
一つ上のレベルに上がるためには何が足りないかを理解するためには、一つ上のレベルの内容を見て、「自分がまだできないこと」を見つけることです。
B2とC1の間の大きな壁は、話の大筋がわかるだけではなく細かいニュアンスまで理解する力が求められます。
- 難しい単語も理解できる
- イディオム・熟語などの言い回しを多く知っている
- 複雑な文法に慣れている
- 会話に自然な流れを作ることができる
軽く考えただけでもこんなに出てきます。
これをできるようになるため必要なことの一例がこちらです。
- 難しい文章に触れて読む練習をする
- 曖昧な文法をなくす
- 会話のつなぎになる言い回しを覚える
いかがでしょうか。
自分のレベルを確認することで足りない能力がわかり、これを埋めるためにするべきことが見えてきます。
ニュースを読んだり、文法事項の確認をしたり、具体的な行動内容まで落とし込んだらあとは行動あるのみです!
抱えている悩みはみんなそれぞれ違うので、一旦立ち止まって自分がどこにいるのか、どこに向かうべきか、CERFを使ってぜひ確認してください。
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