英語力を効果的に向上させるために5つの『しない方がいい』こと
「短期間で英語力を効果的に上げる方法について知りたい」と英語を学ぼうとしている方なら一度は考えたことがあると思います。
残念ながら英語は言語なので1週間や1ヶ月といった短期間では大きな変化は見られません。
しかし3か月単位で見ると大きく伸ばすことは可能だと、1年半でCEFR A2からCEFR B2まで伸ばした私の経験から断言できます。
「短期間で英語を話せるようになるノウハウ」系の本などはたくさんありますが『やらない方がいいこと』についてはあまり触れられていません。
やらないよりはやったほうがいいのはもちろんですが、個人的にかなり効率が悪い方法なのでお勧めしないことについて書きます。
ただしこの記事は全体的な英語力の向上を目標としている方向けでTOEICやTOEFLの点数を短期間で~点上げたいといった受験者向けの話ではありません。
私は常々英語力を向上するというために「勉強」は不要と考えています。
初心者も中級者も使える内容だと思いますので、有限である時間とお金を無駄にしないために注意してみてください。
目次
1. 英単語帳を買って勉強すること
1-1. 日本語訳と単語の意味はイコールじゃない
単語帳については賛否があるとは思いますが、個人的には不要だと考えていますし学校以外で使ったことはありません。
単語帳における最大の落とし穴は日本語と英語の翻訳の問題にあります。
単語帳の訳が間違っているというわけではなく、それぞれの単語において使われる場面が決まっているにもかかわらず一つの単語で多くの日本語訳ができるものや、その逆に一つの日本語の単語に対し多くの単語を当てはめられるものもあります。
単語だけで覚えてしまうと使われるタイミングや細かなニュアンスがわからないので英単語の誤用に繋がります。
簡単で有名な例では「教える」という意味を付けられているteachとtellです。
i) Could you tell me how to get to the station?
ii) Could you teach me how to get to the station?
教えるという日本語の意味だけで覚えてしまうと違いがわかりません。
ここではもちろんTellの方が一般的ですがニュアンスの違いというのは小さな単語帳の一角だけではどうしても理解に限界が出てきてしまいます。
1-2. 例文はせいぜい1種類くらいしかない
ニュアンスの違いや使われ方を確認するために重要となってくるのが例文です。
スペースの問題で仕方がないこととは言え、基本的な単語帳には1文ほどしか例文がありません。
これでは定型文として覚えることは可能ですが本当の意味で単語を覚えるということは難しいと思います。
1-3. 大量の英語に触れるとおのずと覚えられる
いろいろな文章の中で単語に出会い多角的に使われいるものを見ることで嫌でもその単語が持つ意味を理解できるようになります。
英単語帳の上で一つずつしらない単語に会うよりは、大量の知っている単語の中に紛れている知らない単語にどんどん出会って行った方が既に知っている単語の理解度も高められて一石二鳥です。
わざわざ「単語を覚えるためだけに」使われる単語帳は全体的な英語力を上げるという目的においてはむしろ遠回りになると考えます。
2. わからない英単語をノートに書いたり単語帳を自作すること
2-1. 英語を学ぼうと意気込んでいる人がやってしまいがち
別ブログで万年筆やノートのことを書いたりしているくらい紙に文字を書くのが大好きな私ですが、わからない英語を書き写したり単語帳を自作したりすることは時間の無駄なのでやめた方がいいです。
最近は色々なクラウドサービスがありますがオンラインでファイルを作って管理している方も同様です。
大抵はまとめることが面倒になって辞めます。3日続いたら大したもんです。
言葉を選ばずに言うと、特に社会人となってしまっている方は中高生と違い「勉強」をする習慣は抜けてしまっているので突然始めたところで苦痛しか生まれず続くわけがありません。
2-2. 作っただけで満足。時間がかかるだけで見直すことはほぼない
自作ノートや単語帳の恐ろしいところは労力が何よりも一番かかるため「作っただけで満足する」という現象に落ちいることなのです。
少し考えてみてください。
あなたが1文を書いている間に、読むだけなら多分10文以上読めます。
どちらが効率よく英語に触れられるか比べるまでもないでしょう。
やったことがある方ならわかると思いますが、意気込んで新しいノートやサービスを導入して始めてみたけど結局使ったのは最初の数ページで見直すことなんて無かったと思います。
書かないと覚えられないという人は受験勉強の呪縛に縛られていると思います。
1回や2回書いたくらいじゃどうせ覚えられないんだから、その時間を他の時間に当ててください。
労力を多く使うので「ちゃんと勉強した感」が出て頑張っているつもりになれますが実際身につく量を考えると避けるべきです。
3. 初心者用やTOEIC用の遅いリスニング教材を聞くこと
3-1. そんな速度で話している人はいない
娘が海外に住んでいるものだから自分も勉強しようと母が初心者用の英語勉強本を買って車で流していましたが…
遅い!!
そんなスピードで話してる人なんて現実には存在しません。
ナレーションでもない限りみんな思い思いの速さで話します。
仮にこの遅いスピードに慣れてしまうと、同じことを言われても通常スピードで話されたときに理解できなくなります。
なぜなら自然なスピードの中では単語がつながって一つになったり(Linking)、子音が聞こえないくらい弱くなったりするからです。
ゆっくりのスピードで覚えてナチュラルスピードでの言い方を学んで修正していきますか?二度手間じゃありませんかこれ?
私は初心者などレベルは関係なく、初めからナチュラルスピードの英語に恐れず向き合っていくべきだと考えます。
自然なイントネーションや発音も身につくのでその方がかなりお勧めです。
始めのうちは何を言っているのか全然わからないと思いますが、根気よく触れていると慣れてくるので気にせず続けるべきです。
3-2. 訛りや雑音で聞き取りにくい実際の環境で対応できない
TOEIC用の音声なんかはそうですが雑音のないきれいな音声です。
また訛りについてもアメリカ・イギリス・オーストラリアぐらいの大まかな種類に分けられているだけで、はっきりと話してくれています。
日本語でもそうですが話す人それぞれの特徴もあるので個人差もあるんですよね。
綺麗な音声を聞くのも悪くないのですが、現実の環境に対応するためには少しレベルを上げてアナウンサーが読むニュースにしたり、テレビ番組や街頭インタビューの動画なんかを見て慣れていくといいと思います。
4. 英語と日本語の両方が流れてくるような教材を使うこと
4-1. 日本語を挟む癖は無くした方が良い
フレーズを覚えて使うという方法についてはとても良いことだと思います。
単語を入れ替えるだけで幅広く使うことができるからです。
それなのに日本語と英語が交互に出てくるリスニング教材を私がお勧めできないのは、英語を話しているのに日本語で考える癖がついてしまう恐れがあること。
英単語の話のところでも言いましたが日本語と英語は完全に訳すことができないことが多く、また会話がスムーズに進まなくなるので英語を話すときに頭の中で日本語を挟む癖はつけないべきです。
慣れないうちは大変ですが英語に触れている間は英語のままで理解するということを意識してやると段々とできるようになるので、初心者だからこそ日本語を挟むことはやめましょう。
5. 英語学習の教材やノウハウ本を買うこと
5-1. ノウハウ本は何の足しにもならない
英語力を効率的に上げるのを最も妨げるのはノウハウ本です。
自己啓発本に通じるものがありますが、著者の成功体験を見て「明日から同じようにやってみよう」と思うと思います。
ただそのノウハウ本を読んだ時間、全然英語力は上がっていません。
方法論を見るだけでは英語力には影響しませんからね。
また同じ内容を闇雲に信じてやり始めるのも危険だと思います。
なぜなら英語力を上げるために合う方法というのは人それぞれ違い、自分に合わない方法だと続けられません。
一番の敵は英語に対して自信をなくし苦手意識が植えつけられることです。
1、2分パラパラと記事を見たりするのは有りかもしれませんが本まで購入して無駄な時間を過ごす必要はありません。
その分直接力になる英語に触れましょう。
どうしても読みたいなら英語で書かれたノウハウ本を読んでください。
5-2. 英語学習の教材は買うなら一冊集中型にする
英語学習教材を色々と購入する方がいますがこれも駄目です。
一冊をきっちり最後までやり切ってから2冊目に進むべきです。
いろんな本で最初の数ページで挫折するということは、最初の導入部分の英語力からいつまで経っても抜け出せないということ。
先のレベルに進んでいくためには苦しくても最後までやり切ってください。
この教材が合わないかも、もっとよさそうな教材をみつけた、など色々と言い訳はあるかと思いますが、何があっても最後までやってみてください。
続ける習慣をつけることが大事です。
苦しいということは次のレベルに進んでいる証拠ですので頑張りましょう。
あとがき。とにかく英語に触れることが大事
日本語を通して「勉強」してしまうと、もはや英語の勉強をしているのか日本語の勉強をしているのかわからなくなるくらいになります。
所詮言語なので「慣れ」がすべてです。
同じ日本語でも地方出身者が標準語を話すためには慣れが必要ですよね。
日本語を介して英語を勉強した「つもり」になるのはもう終わりにして、英語で英語や自分の興味のある分野を学ぶのが結局は一番効率的です。
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